ギャラリー<br>手風琴(てふうきん)

ギャラリー
手風琴(てふうきん)

店舗情報

店舗(事業者)住所
〒666-0137
兵庫県川西市湯山台2-25-21
電話番号
080-5344-9341
業種/サービス内容
画廊
営業時間
お問い合わせください
定休日
12時から17時※要電話で事前予約
店舗(事業者)情報
日常生活から離れて、落ち着いた自分だけの空間と時間をお過ごしください

川西市湯山台地区の閑静な住宅街に位置する「ギャラリー手風琴」。大通り沿いの一角に佇む地域の画廊です。

“本物の息づかいを感じられる”という楽器からとったギャラリーの名称「手風琴」。アコーディオンの和名

「手風琴」のオーナーは小林くみこさん。川西市で生まれ育ち、京都市立芸術大学に進学。卒業後、公立中学校で教鞭をとる傍ら、銅版画家として 40 年以上にわたり活動を続けてきました。

多くの画家・版画家を輩出する「春陽展」では、読売新聞社賞や、大阪市長賞、奨励賞などを受賞し、国際展「日本・フランス・中国現代美術世界展」では、欧美賞を受賞するなど、他の受賞歴も含め、輝かしい実績を残しています。

実体験から命をテーマに

作品制作のメインテーマは「命と時間」。特に、命の象徴ともいえる「卵」をモチーフとした版画などのほか、戦争やハンセン病などを主題とした作品を手掛けています。

「生命の出発点であり身近なテーマ」と、題材として小林さんの好む「卵」

小林さんは結婚・出産後に、姉妹やパートナー、そして教え子が命を落とすという筆舌に尽くしがたい経験をしてきました。子育ての最中に「死」に囲まれたような感覚に陥る中、芸術をもって「生」に真摯に向き合おうと、兵庫教育大学の大学院に進学。“プロパガンダ絵画”ともいわれる藤田嗣治の「戦争画」と向き合い、修士論文を仕上げました。

論文制作にかかる参考文献が並ぶ

また、教員生活を続ける中で出会ったのが「ハンセン病」。2011 年、人権教育の担当として訪れた療養所の状況に衝撃を受け、全国の全施設を回り、作品を制作することを心に決めました。教壇を去った現在もなお、活動を続けています。

全国に 14 カ所あるハンセン病の療養施設。現時点で 3 カ所を訪れたという。取材によりテーマを決める

24 年続く自宅兼ギャラリー

そんな小林さん、「自分の住む地域に本物の芸術を届けたい」と、24 年前の 2001 年から自宅をギャラリーとして開放。銅版画家の広田雅久氏や、「とべバッタ」などで知られる絵本画家の田島征三氏などといった著名な作家の作品展を断続的に開催してきました。
また、作家本人による講演会なども企画し、これまでに延べ 50 人以上の作家を取り上げいます。

ギャラリー開催中は 1 階・2 階フロアや階段のほか、リビングスペースなども開放

2024 年 11 月からは、「小林くみこ展」として銅版画など本人の作品約 160 点を展示。アトリエにも立ち入ることができ、希望すれば制作に使用するプレス機などにも触れられます。

南からの日差しが心地よいアトリエ

小林くみこ展

予約制( 電話で事前に連絡が必要です)※原則昼からの案内
●期間 2025 年 1 月末まで 
●電話番号 080-5344-9341

2026 年春「画廊茶房『手風琴』」オープン

2001 年から続く画廊、1 月までの作品展終了後に一度閉めるそうです。その理由はリニューアル。「ギャラリー手風琴」は、2026 年春、喫茶のできる画廊茶房「手風琴」へと生まれ変わります。「退職を機に『地域の居場所』となる画廊を作りたい」という小林さん、茶房では、サイフォン式コーヒーや煎茶の提供などを考えているとのこと。1 年後のオープンがとても楽しみです。